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複数の関連レベルを説明可能な関連マッピングの統合的混合モデル法

Nature Genetics 38, 2 doi: 10.1038/ng1702

集団構造は見せかけの関連を生じさせるおそれがあるため、ヒトや植物の遺伝学における関連解析の使用には制約がある。しかし、集団構造によって生じた膨大数の偽シグナルを、実際の関連を示す真のシグナルから区別する方法があれば、関連解析によるマッピングは大いに有望な手法である。我々は、ランダムな遺伝子マーカーにより検出された複数の関連レベルを同時に説明しうる統合的な混合モデル法を開発した。我々は、この新たな手法を2つのサンプルに適用した。すなわち、ヒト14家系からなる、家系を基にしたサンプルに対しては、量的遺伝子発現解析をおこなった。また、277のさまざまなトウモロコシ近交系の、複雑な類縁関係と集団構造をもつサンプルについては、量的形質解析をおこなった。本法では、他の方法でみられる第Ⅰ種とII種の両方の過誤の確率をうまく調整できることが明らかになった。この新法は、関連解析の対象となる家系を基にしたサンプルにも構造化したサンプルにも適用できるため、現在利用可能な関連マッピングの手法を強力に補完するものと考えられる。

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