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ヒトゲノムにおけるハプロタイプの多様性と連鎖不平衡に関する世界規模の精査

Nature Genetics 38, 11 doi: 10.1038/ng1911

最近のゲノム研究により高精度のハプロタイプ情報が得られているが、それらは、非常に少ない数のヒト集団に関する研究にもとづいている。我々は52の集団を代表する927人に関して、12MbのDNA塩基配列のハプロタイプ構造を調べたので報告する。ハプロタイプの地理的な分布はヒトの歴史を反映しており、アフリカからの距離が離れるにしたがって、ハプロタイプの多様性の喪失が起こる。連鎖不平衡(LD)の程度は集団ごとに大きな多様性を示すが、ハプロタイプ構造にはかなりの共通性が存在し、組換えホットスポットの推定箇所は通常グループ間で一致している。国際HapMapプロジェクトの4つのサンプルは、ほとんどの集団に見いだされる共通のハプロタイプの大部分を含んでいる。すなわち集団間の平均として、ある集団で頻度の高いハプロタイプ(20kb長)の83%は、最もよく類似したHapMapサンプルでも頻度が高い。それゆえに、HapMapにもとづくタグSNPが通用する程度は、LDの低いアフリカ人では小さいが、ほとんどのヒト集団では有用で、ゲノムワイドなマッピング研究のデザインに使用することができる。

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