連鎖不平衡にもとづく関連研究における一般的な課題として、ある集団サンプルのデータから選ばれたタグSNPを、別のサンプルで使用する際に、どのようにして関連の検出力をあげるかということがある。具体的には、HapMapのDNAサンプルから抽出されたタグが、いかに効率よく他のサンプルでの多型をとらえることができるかを知ることが重要である。この問題に取り組むために、我々は4つのHapMap集団サンプルと11の別の集団サンプルにわたる詳細なデータを統一的に集めた。HapMapサンプルから集めた遺伝子型データを使ってタグSNPを選び、別の集団サンプルにおいて観察された共通多型の全セットと比較して、これらのSNPタグの有効な範囲を検討した。HapMapサンプルではない集団において、中等度のリスクの病気モデルを仮定して疾患-対照関連研究をシミュレーションしたところ、検出力の損失がほとんど認められなかった。これらの結果から、世界中のいろいろなサンプルでゲノムワイドな関連研究をおこなう際に、HapMap DNAサンプルを使ってタグを選ぶことができることを証明するものである。
目次へ戻る