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ゼブラフィッシュの一次繊毛形成および左右のパターン形成に対する非標準型Wntシグナル伝達仲介因子duborayaによる調節

Nature Genetics 38, 11 doi: 10.1038/ng1892

一次繊毛とは、微小管を含む細胞小器官で、ほとんどすべての動物細胞の表面から突出した構造をとっている。一次繊毛が形態形成や組織の恒常性に重要な役割を果たすことは確認されているが、一次繊毛の形成を制御する機構は明らかになっていない。本論文では、ゼブラフィッシュの、duboraya (dub)という繊毛形成に必須の遺伝子についての特性解析を報告する。ゼブラフィッシュの胚においてduboraya (dub)がノックアウトされると、Kupffer胞での一次繊毛の形成異常および器官の左右非対称性(左右軸)のランダム化が引き起こされた。分子レベルにおいては、繊毛形成におけるdubの機能がリン酸化によって調節されること、言い換えると、その機能はFrizzled-2が仲介する非標準型Wntシグナル伝達に左右されることが明らかになった。また、細胞レベルでは、dubの機能がKupffer胞の内側を覆う細胞のアクチン細胞骨格に必須であるという証拠が得られた。したがって、本研究成果は、非標準型Wntシグナル伝達と左右軸決定の制御とを結びつける分子を特定したものであり、一次繊毛形成の調節メカニズムを解析するための端緒となるものである。

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