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CFHR1CFHR3の欠失をもつ、ありふれたCFHハプロタイプは、加齢黄班変性症の危険度低下と関連している

Nature Genetics 38, 10 doi: 10.1038/ng1890

加齢黄班変性症(AMD; OMIM #603075)は、老人集団における視覚障害の最も頻度の高い原因であり、75歳以上のヨーロッパ系の人ではその約10%が重症のAMD患者である。AMDは複雑な疾患で、その感受性には遺伝的要因と環境要因の両方が影響している。補体因子H(CFH)は、AMDの感受性にかかわる主要な遺伝子であることが最近明らかにされ、Y402H多型が原因因子ではないかと提唱されている。我々は多型をさらに詳しく調べることにし、173人の重症の新生血管AMD患者とAMDの症状を示さない170人の対照となる老人に対して、CFHのクラスター上にある多型と、染色体1q23にある5つのCFH関連遺伝子について遺伝子型を調べた。詳細な解析の結果、AMDの危険度の減少と関連するあるありふれたハプロタイプが見つかり、対照の染色体の20%、AMDの患者の染色体の8%にそれが見られた。このハプロタイプはCFHR1およびCFHR3の欠失をもっており、これらの遺伝子によってコードされるタンパク質は、このハプロタイプのホモの人の血清からは検出されなかった。この欠失のハプロタイプにみられる予防的な効果は、Y402Hと連鎖不平衡であるとは帰結されず、独立のサンプルでも再現された。

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