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t複合体にコードされるGTPアーゼ活性化タンパク質Tagap1はマウスにおける伝達比歪め因子として機能する

Nature Genetics 37, 9 doi: 10.1038/ng1617

マウスにおいて染色体伝達比の歪みは、t複合体応答因子(Tcr)上でトランスに機能するいくつかのt複合体歪め因子(Tcd)によって引き起こされる。Tcdはt/+雄由来のすべての精子の鞭毛運動に付加的な影響を与える。つまり、Tcrをもつ精子は救済され、受精においてt精子に有利に働いている。本論文では、GTPアーゼ活性化タンパク質Tagap1が歪め因子として機能しうることを示す。Tagap1Tcd1区間にマップされ、C末短縮型を含む変化したタンパク質をコードする4つのt遺伝子座をもつ。精子細胞に野生型Tagap1を過剰発現させると、Tcd機能の表現型を模倣したが、一方、機能喪失型Tagap1対立遺伝子はt6ハプロタイプの伝達比を減少させた。このデータを組み合わせて考えると、Tagap1のt遺伝子座がTcd1aを生み出すことが強く示唆される。我々の結果は、Tcdの分子特性を明らかにし、マウスにおける伝達比の歪みでは、低分子量Gタンパク質が重要であることを明らかにするものである。

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