Research Highlights

ダイニンの突然変異は、凝集性タンパク質のオートファジーによる分解除去を損なう

Nature Genetics 37, 7 doi: 10.1038/ng1591

ダイニンのモーター機構に影響を与える突然変異は運動ニューロン疾患(MND)を引き起こすに十分である。このような突然変異をもつマウスの病変組織やヒトの運動ニューロン疾患の大部分において、凝集体あるいは封入体が存在する理由は不明である。本論文で我々は、ダイニンの機能が低下すると、凝集傾向にあるタンパク質のオートファジー(自食作用)による分解・除去作用が弱まることを示し、封入体形成の新たな機構を明らかにする。我々は、ダイニンの機構における変異が、モデル動物のショウジョウバエとマウスにハンチントン病を発症させる突然変異の毒性を強めることを示す。さらに、ダイニンの機能喪失によって、変異ハンチントンによる早期の凝集体形成が引き起こされ、細胞培養とモデルマウスの両方でオートファゴソームマーカーLC3-Ⅱのレベルが上昇していた。これは、オートファゴソームとリソソームの融合が損なわれていることと一致している。

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