Research Highlights

染色体微細領域における組換えパターンはチンパンジーとヒトで異なる

Nature Genetics 37, 4 doi: 10.1038/ng1529

組換え率は、ヒトゲノムの各領域で大きく変動するように思われる。すなわち、家系分析から、Mbごとに計算した組換え率に1桁のばらつきがあることが示唆され、より微細なレベルでみると、精子による遺伝子型決定研究により組換えホットスポットが存在することが指摘されている。これらは短い領域(1~2kb)で、この領域での組換え率はその周囲のバックグラウンド組換え率の10~1000倍高い頻度である。組み換え率が時間の経過につれてどのように変化するのかについてはあまり知られていない。本論文で我々は、組換え率が近縁種間でどの程度保存されているかを、中央アフリカチンパンジー集団とヒト集団における連鎖不平衡データのうちの14Mbから組換え率を推定することで割り出した。結果は、組換えホットスポットは2つの生物種間では保存されていないこと、そして、より大きなゲノム領域(50kb)における組換え率が弱く保存されていることを示唆している。すなわち、組換えの様相は2生物種間で顕著に変化している。

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