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哺乳類の概日時計の基礎をなす転写回路のシステムレベルの同定

Nature Genetics 37, 2 doi: 10.1038/ng1504

哺乳類の概日時計は転写調節を行う複雑に入り組んだ閉鎖回路(ループ)から構成されている。そのため概日時計の機構の解明には、システムの動態が正確に計測され、さらにネットワーク回路が包括的に同定されることが重要である。我々はこの転写回路をシステムレベルで理解するために、進化的に保存されているcisエレメントを包括的に調べてその転写調節における挙動を明らかにし、16の時計遺伝子および時計制御遺伝子内における時計制御エレメントを同定した。本論文では、9つの遺伝子に存在するE/E'ボックス、7つの遺伝子内のDBP/E4BP4結合エレメント、6つの遺伝子のRevErbA/ROR結合エレメントが担う役割を報告する。我々の結果は、概日時計の転写回路が2種類の異なる設計原理により支配されていることを示す。すなわち、E/E'ボックスとRevErbA/ROR結合エレメントは、リプレッサーがアクチベーターに先行する遺伝子発現パターンにしたがう結果、転写活性に遅延が生じるのに対し、DBP/E4BP4結合エレメントは、リプレッサーがアクチベーターに対して逆位相性の発現をおこなう機構により、高振幅の転写活性を引き起こす。さらに、E/E'ボックスを介した転写調節が哺乳類の概日時計においてネットワーク構造上の脆弱部(急所)であることが示唆され、この仮説はin vitro表現型アッセイ系を用いて機能的に検証された。

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