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TRF2過剰発現マウスにおけるXPFヌクレアーゼ依存性のテロメア欠損とDNA損傷の亢進は、早期老化と癌を招く

Nature Genetics 37, 10 doi: 10.1038/ng1633

TRF2はテロメア維持の役割を果たすテロメア結合タンパク質である。我々は、表皮においてTRF2を過剰発現するマウスを作製した。これらのマウスは、その表皮が光に対して重篤な反応を引き起こす表現型を示した。すなわち、皮膚の早期老化、色素沈着過度、皮膚癌の増加が見られ、この病態はヒトの色素性乾皮症に類似している。また、こういったマウスのケラチノサイトは紫外線照射とDNA架橋剤に過敏であった。TRF2過剰発現マウスの表皮細胞は、テロメアの著しい短縮、テロメア末端のグアニンに富んだ配列の一本鎖突出部(Gテール)の消失、染色体の不安定性の増大を示した。このマウスのテロメア機能の喪失は、構造特異的ヌクレアーゼであるXPFによって調節されていた。XPFは紫外線によるDNA損傷の修復に関与し、色素性乾皮症患者ではこの酵素に突然変異が生じている。これらの結果から、TRF2がテロメアの機能と紫外線による損傷の修復を結びつける決定的な役割を果たしており、その変化がゲノムの不安定性、発癌、老化の根本原因であることが示唆される。最後に、我々は、ヒトの皮膚腫瘍の多くにおいて、TRF2の発現が亢進していることを示す。このことは、皮膚癌におけるTRF2の役割をさらに強調するものである。

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