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3-M症候群でCUL7における変異の同定

Nature Genetics 37, 10 doi: 10.1038/ng1628

子宮内胎児発育遅延は、母体血管へのトロホブラストの浸潤不全と胎盤循環血流量の低下につながる母親、胎児あるいは胎盤の要因によって引き起こされる。子宮内胎児発育遅延の原因は多数同定されているが、ほとんどの症例の説明がつかないままである。3-M症候群(OMIM 273750)は、出生前後の重度の成長遅延を特徴とする常染色体劣性の疾患であるが、我々はその29家系を調査し、初めに原因遺伝子を染色体6p21.1に位置決定し、次にcullin7(CUL7)遺伝子において25の別個の変異を同定した。CUL7はSkp1、Fbx29(別名Fbw8)およびROC1を含むE3ユビキチンリガーゼ複合体を組み立て、ユビキチン化を促進する。我々は、欠失解析を利用し、Skp1-Fbx29ヘテロ二量体との相互作用にはCUL7の中央領域が使われることを見出した。3-M症候群に関連するCUL7のナンセンス変異やミスセンス変異(R1445XおよびH1464P)により、CUL7がROC1をリクルートできなくなることを機能解析で示した。これらの結果は、ユビキチン化不全がヒトの子宮内胎児発育遅延の病因において役割を担っているかもしれないことを示唆する。

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