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酵母において遺伝子ループはプロモーターとターミネーターを並列させる

Nature Genetics 36, 9 doi: 10.1038/ng1411

RNAポリメラーゼII(PolII)による転写の開始と終了のメカニズムの解析から、いくつかの因子が両プロセスに共通であることが示されている。今回我々は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のもつ2つの長い遺伝子、FMP27SEN1がループ状の構造をとっており、プロモーター領域とターミネーター領域を効果的に引き寄せていることを示す。また、誘導か非誘導条件下かにかかわらず、FMP27GAL1プロモーターから転写される際、PolIIはFMP27の両端に局在していることも示す。これらの条件下では、PolII大サブユニットC末端ドメインは、Ser5がリン酸化されている。注目すべきは、Kin28pの不活性化がSer5のリン酸化とループ構造の両方を消失させることである。これらのデータにより、遺伝子ループが転写活性化の初期段階に関与していることが示唆され、さらに、これまで不明だった遺伝子制御の空間的構造、すなわち、転写サイクルの開始前およびその途中において転写単位の両端がどのように規定されるのかをも予測できる。

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