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集団層別化が遺伝的相関解析に与える影響の検証

Nature Genetics 36, 4 doi: 10.1038/ng1333

集団層別化とは、疾患群とコントロール群における対立遺伝子頻度の違いが、その疾患と遺伝子の相関よりも、先祖に起因する全体的な違いにより強く依存していることをいう。層別化による擬陽性の相関は、数十の互いに連鎖していない遺伝的マーカーを用いてタイピングすることにより調整できるとされてきた。本論文では層別化を経験的に検証するために、11のケースコントロールおよびケースコホート相関研究を解析した。その結果、統計的に有意な層別化の証拠は見つけられなかったが、軽度の遺伝的危険因子を同定するようデザインされた研究において、マーカー数が数十では、擬陽性の相関をもたらしうる軽度の層別化の影響を排除できないことがわかった。ケースコホート研究(層別化の影響を最も受けにくいデザインである)において解析するマーカー数とサンプル数を増やしても、層別化は実際には存在することがわかった。今回の結果は、よくデザインされた研究においてでさえ、軽度の層別化は存在しうることを示唆している。

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