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家族性複合型高脂血症が上流転写因子1(USF1)と相関している

Nature Genetics 36, 4 doi: 10.1038/ng1320

家族性複合型高脂血症(FCHL)は、血清総コレステロールと中性脂肪の一方もしくは両方が上昇するという特徴を示し、冠動脈性心疾患を起こす前の患者の約20%にみられる。我々は以前に、FCHLのフィンランド人家系の解析で、この病気が1q21-q23にある座位に連鎖していることをつきとめた。この座位は、別な家系集団のFCHLにおいて、また2型糖尿病においても連鎖が示されている。これらの疾患単位には重複する特徴的表現型がいくつかみられ、得られた連鎖の座位に存在する同じ遺伝子が関与している可能性が高いと考えられる。本論文では、1qにありマウスにおいて複合型高脂血症に関与するとされているチオレドキシン結合タンパク質(TXNIP)が、ヒトにおいてはFCHLに相関していないことを明らかにする。また、さらなる60家系において721人のFCHL患者の遺伝子型を調べた結果、上流転写因子(USF1)の遺伝子と連鎖および相関していること(p=0.00002)が示された。これは特に高中性脂肪血症を示す男性において顕著であった(p=0.0000009)。FCHLの患者から得た脂肪組織の生検サンプルで発現プロファイルを調べたところ、相関を示すUSF1のハプロタイプの違いによって発現が異なっていた。USF1は、グルコースと脂質代謝に関与する数個の遺伝子を調節する転写因子をコードする。

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