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行動に関する量的形質遺伝子座の遺伝的解析により、Rgs2がマウスの不安症状を変化させることが明らかになった

Nature Genetics 36, 11 doi: 10.1038/ng1450

本論文で我々は、複雑な表現型に差異をもたらす遺伝子の決定方法について提案する。対象とする表現型としては、誘発されたものではなく、自然発生した遺伝的変異より生じたマウス表現型を用いている。我々は、市販の異系交配マウスMF1を標準的近交系マウスの超微細レベルのモザイクとみなすことができ、それゆえ、不安症状に影響を与える既知の量的形質遺伝子座(quantitative trait locus、QTL)の解析に用いることが可能であることを示す。また、この遺伝子座が3つの領域に区分され、そのうちの1つがGタンパク質によるシグナル伝達をコードしているRgs2を含んでいることも明らかにする。次に、量的相補性検定を行いRgs2が量的形質の発現に関与する遺伝子であることを示す。このような遺伝的解析と機能的解析を組み合わせた研究方法は、あらゆる量的形質の解析に適用できると思われる。

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