Editorial

「マネル」にさせない

Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 3 | doi : 10.1038/ndigest.2020.200345

原文:Nature (2019-12-12) | doi: 10.1038/d41586-019-03784-x | No more ‘manels’

Nature は、研究会議や研究イベントにおける多様性の向上を目指し、新しい行動規範を策定しました。

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Anton Gvozdikov/Alamy

人口比率に照らして十分な活躍ができていないマイノリティー集団(URM; under-represented minority group)の女性は、世界最大の地球科学の研究会議での口頭発表にほとんど招待されないという調査結果が発表され、科学における多様性不足に再び注目が集まりました(Nature 2019年12月5日号32~35ページ)。

研究会議は、研究コミュニケーションに必須であり、会議への参加はキャリアアップにとって重要です。しかし、Nature が2019年に、男性が発言の大部分を占めるパネル[=マネル(manel)]と、会議[=マンファレンス(manference)]に関する調査を行った結果、多様性を高めるための勇敢な努力は時々なされるものの、その翌年には旧態依然に戻ってしまうことが分かりました(Nature 2019年9月12日号184~186ページ)。

Nature は、掲載論文の著者と査読者に女性が少な過ぎるなど、自らの努力が不十分なことを自覚しているのと同時に、現状を転換させる責任を負っていることも自覚しています(Nature 2018年6月21日号344ページ)。2019年12月上旬、Nature は、編集活動と出版活動の全体で多様性を促進するため、これまで以上に協調性を高めた取り組みに着手しました。その取り組みには、Nature が主催するイベントに関する具体的なコミットメントも含まれます(go.nature.com/36jtfr)。

2019年、Nature とネイチャーリサーチのポートフォリオに含まれる学術誌は、さまざまな研究分野において30件以上のイベントを主催/共催しました。こうした研究会議をこれまでよりインクルーシブなものとするため、非公式に尽力したのですが、発言者において女性とマイノリティーの人々が占める割合はわずかでした。そのためNature は、こうした努力を正式なものとし、それを組み込んだ行動規範を発表しました。この行動規範は、弊社が主催/共催する全学術イベントに適用されます。

この行動規範に従い、今後計画されるNature Conferenceでは、男性だけの組織委員会にしないことに全力を尽くします。具体的には、基調発表、抄録提出のいかんを問わず、男女同数の口頭発表者を招待します。また毎年12月末には、目標達成に向けた進捗状況のモニタリングと報告を行います。2020年に開催予定のイベントの大部分は計画がすでに進んでいるため、Nature のコミットメントの十分な効果は2021年から期待できます。

Nature Conferenceは、全ての参加者にとって心地よく、安全かつ協力的で生産的でなければなりません。Nature の行動規範によれば、イベントの参加者が多様な意見や文化に配慮し、敬意と協力的な態度で学説の議論と批判を行うことが期待されています。行動規範の違反があれば、適切な制裁が科されます。

また、私たちは、出身地、民族、文化、キャリア段階、障害、性的指向を含め、より広範に多様性を支援することにも力を尽くします。私たちは、時間をかけて、行動規範を進化させて、この点に明示的に対処できるようにすることを目指します。

科学イベントは、もっとインクルーシブでなければなりません。新しい行動規範が、他の多くの組織の類似した行動規範と同様に、この目標の達成に何らかの形で役立つことを願っています。

(翻訳:菊川要)

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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