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新型コロナウイルス研究注目の論文(10月)
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)とその感染症(COVID-19)に関する文献で重要なものをNature が精査し、まとめた(2020年10月)。9月分はこちら。
感染拡大が続く米国が抱えるCOVID-19データ共有問題
COVID-19の広がりを追跡し、封じ込めるには、情報の共有と活用が欠かせない。しかし米国ではデータの公開が遅らされ、さらにはデータに欠けがあるという。その原因は、政府の干渉と、長年にわたる公衆衛生データ管理の軽視にある。
再開の道を模索する大規模大学
米国では、現在も多くの州で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている。そうした中、大学は数百万人の学生をキャンパスに迎え入れようとしていて、キャンパス内外の感染制御に、独自の検査やアプリなどを導入した大学もある。
安倍首相退陣後の日本:再出発すべき時
退陣した安倍晋三首相を引き継ぐ者は、科学における多様性と外交、および科学に対する規制の改善を推進する必要がある。
統計学と情報学で病気を解き明かし、個々の患者に合った医療へ
多数の遺伝要因が積み重なって起こる「複雑疾患(多因子疾患)」。糖尿病や心筋梗塞、統合失調症など、大半の病気がそうだ。そのような病気の解析手法である「ゲノムワイド関連解析(GWAS)」を用いて、次々と研究成果を発表してきた鎌谷洋一郎・東京大学大学院メディカル情報生命専攻教授。GWAS研究は一時の停滞期からなぜ再び注目を浴びるようになったのか。世界の研究の潮流と今後の抱負について話を聞いた。
免疫系の謎を突き付けるCOVID-19
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する免疫応答が、人により大きく異なる理由は分かっていない。患者の免疫応答を経時的に追跡する新たな研究により、この問題に対する手掛かりと、重症度を予測する方法に関する示唆が得られた。