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リンパ管による脳内の老廃物除去

Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 11 | doi : 10.1038/ndigest.2018.181131

原文:Nature (2018-08-09) | doi: 10.1038/d41586-018-05763-0 | A lymphatic waste-disposal system implicated in Alzheimer’s disease

Melanie D. Sweeney & Berislav V. Zlokovic

髄膜にあるリンパ管は、血管と相互作用して脳から有害な老廃物を除去していることが明らかになった。この知見は、認知や加齢、アルツハイマー病などの疾患と関係がありそうだ。

Da Mesquitaらは、髄膜リンパ管の除去により髄膜でのアミロイドβが蓄積し、脳実質へのアミロイドβ沈着や認知障害が加速することも観察した。また、髄膜リンパ管の直径や被覆率は加齢により減少することも報告している。 | 拡大する

JUAN GAERTNER/SPL/Getty

リンパ管ネットワークは、血管系と協力して機能し、体液のバランスを調節している1。脳自体にはリンパ管ネットワークは存在しないが、髄膜(脳を包む結合組織性の膜の総称)にはリンパ管ネットワークが存在する。髄膜リンパ管系は、1787年に初めて発見された2が、この10年の間に「再発見」されている3-5。全身のリンパ管ががんなどの全身性疾患に関与している1ように、髄膜リンパ管は、脳疾患に関与しているのだろうか? バージニア大学(米国シャーロッツビル)のSandro Da Mesquitaらはこのほど、髄膜のリンパ管が、認知機能の維持にも、脳を流れる体液中(脳間質液や脳脊髄液)のタンパク質恒常性(タンパク質を適正レベルで維持すること)にも役立つことを明らかにし、Nature 2018年8月9日号185ページで報告した6。この知見は、正常な加齢やアルツハイマー病などの疾患に関係があると思われる。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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