News Feature
とっておき年間画像特集2016
米国ネブラスカ州のプラット川には毎年、数十万羽ものカナダヅル(Grus canadensis)が渡りの途中で立ち寄る。この写真は、カメラマンのRandy Olsonが3月の落雷の際に撮影したもの。ツルが亡霊のように見えるのは長時間露光のためである。
Randy Olson/National Geographic
シベリアのサハ共和国で、マンモスの巨大な牙を運び出す男性。マンモスの牙は貴重で高価なため、永久凍土層から不法に掘り出す盗掘者が絶えない。大きな牙だと、1本に数百万円もの値がつくこともある。
Amos Chapple/Radio Free Europe
この写真は、11月18日にソユーズMS-03宇宙船がカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられたところを、長時間露光で撮影したもの。国際宇宙ステーション(ISS)の第50次/51次長期滞在クルーであるPeggy Whitson、Oleg Novitskiy、Thomas Pesquetの3名が搭乗し、同月20日にISSに無事到着した。
Zuma Press/eyevine
この写真は、ゲンゴロウ類の雄の跗節(昆虫の脚の最終節)を100倍で撮影したもの。跗節の直径は約2mmである。ゲンゴロウ類の雄は、配偶行動の際に、この複雑な構造を使って雌の背中に張り付く。
Igor Siwanowicz/Nikon Small World 2016
オーストラリアのマーチソン広視野干渉計を使った観測プロジェクト「GLEAM」が10月、南天で最大規模かつ最も高精度の電波観測の結果を公表した。画像には、中心部から左右に広がる天の川銀河と、30万個以上の銀河(個々の小さい点)が写っている。
Natasha Hurley-Walker (Curtin/ICRAR), GLEAM team
2016年に中国は、石炭使用量の削減や大気汚染の軽減、再生可能エネルギーの活用といった意欲的な計画を打ち出した。しかし、そうした改革の足かせとなる産業は同国内で多岐にわたっている。内モンゴル自治区にあるこの製鉄所はその一例にすぎない。
Kevin Frayer/Getty
国際宇宙ステーションにドッキングしたロシアの2つの宇宙船。そのはるか下に、稲妻で青白く輝く雲が見えている。黄味がかった光の集まりは人間活動の表れだ。
NASA
この奇妙な構造物は、倍率2000倍で撮影した炭酸カルシウムの結晶。
Christine Kimpton/RPS International Images for Science 2016
古代エジプトのミイラ1体で複数の興味深い入れ墨が見つかり、4月に米国自然人類学会(AAPA)の総会で発表された。首には、座った2頭のヒヒと守護のシンボルの入れ墨が施されている。
Anne Austin
8月にドイツのチームがNature Methodsで発表した「ultimate DISCO」は、組織を透明化し、なおかつ標本を縮小させる技術だ。そのため動物個体を丸ごと画像化でき、体内の神経系や器官系をかつてないほど細部まで明らかにできる。
C. Pan et al./Nature Methods
この写真は、直径わずか15µmのヒト幹細胞を低温走査電子顕微鏡で撮影し、着色処理を施したもの。
S. A Ferreira, C. Lopo & E. Gentleman, KCL/Wellcome
翻訳:船田晶子
Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 2
DOI: 10.1038/ndigest.2017.170214
原文
2016 in pictures: The best science images of the year- Nature (2016-12-22) | DOI: 10.1038/540500a
- Daniel Cressey
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