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先天性心疾患:先天性心疾患におけるヒト心臓のエンハンサーと非コードde novoバリアントの機能的解明

Nature Genetics 56, 3 doi: 10.1038/s41588-024-01669-y

コード領域のまれな変異は、先天性心疾患(CHD)の約45%の原因である。残りの症例に関与する可能性が高いのは、シス調節配列(CRE)を乱す非コード変異であるが、これらの特定は容易ではない。本論文では、ヒト誘導多能性幹細胞由来の心筋細胞(iPSC-CM)でレンチウイルスを用いた大量並行レポーターアッセイ(lentiMPRA)を行い、CHD患者と親の三人組750組の全ゲノム塩基配列決定から優先順位付けされた6590の非コードde novoバリアント(ncDNV)について機能的に評価した。その結果、合計403のncDNVが心臓のCRE活性に大きな影響を及ぼすことが分かった。多くのncDNVはエンハンサー活性を増強し、これらは多くの場合、参照配列からエンハンサー活性が予測できない領域にある。10のDNVを本来のゲノム状況へ導入して検討すると、そのうちの4つのDNVは、隣接する遺伝子の発現やiPSC-CMの転写状態を変化させた。機能的な検討に向けて、さらにDNVの優先順位付けを行うために、我々はMPRAデータを用いて回帰モデルEpiCardを開発した。EpiCardにより独立したCHDコホートを解析すると、DNVが豊富に存在することが分かった。まとめると、我々は、ncDNVがCRE活性に及ぼす影響を測定するためのスケーラブルなシステムを開発し、それを展開して、ncDNVのCHDへの関与を体系的に評価した。

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