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骨格筋ミオパチー:筋肉特異的なプロテインキナーゼと巨大タンパク質タイチンが関与する二遺伝子遺伝が骨格筋ミオパチーを引き起こす

Nature Genetics 56, 3 doi: 10.1038/s41588-023-01651-0

二遺伝子遺伝では、病気が引き起こされるには2つの遺伝子の病因バリアントが共に受け継がれなければならない。神経筋疾患の分野では、二遺伝子遺伝は、非常にわずかな例が報告されるのみである。本論文では、X連鎖セリン/アルギニンプロテインキナーゼ3をコードするSRPK3において有害と予測されるバリアントが、TTN遺伝子のバリアントとヘテロ接合で組み合わされた場合にのみ、早期発症型の進行性骨格筋ミオパチーをもたらすことを示す。有害と予測されるバリアントのSRPK3TTNが共に生じる事象は、健康な男性7万6702人では見られず、統計モデル化から二遺伝子遺伝が最も適合するモデルであることが強く裏付けられた。また、ゼブラフィッシュ二重変異体(srpk3−/−;ttn.1+/−)はミオパチー表現型を再現し、筋原線維の乱れを示した。トランスクリプトームデータから、ゼブラフィッシュにおけるsrpk3ttn.1の相互作用は、転写後レベルで起こることが示唆された。我々は、プロテインキナーゼSRPK3と巨大筋タンパク質タイチンの両方に影響を及ぼす有害な変化の二遺伝子遺伝が、骨格筋ミオパチーを引き起こし、また、他の遺伝的疾患のモデルとなる可能性があると提案する。

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