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循環器:心血行動態の遺伝学的構造

Nature Genetics 56, 2 doi: 10.1038/s41588-023-01587-5

心臓の血流は、ヒトの健康を決める極めて重要な要素である。しかし、大量の心画像から血行動態を抽出するのには技術的な困難があり、その遺伝学的構造の詳細の理解は進んでいない。今回我々は、位相差心臓磁気共鳴画像から心臓の血流速度と血流量を抽出する深層学習システムであるDeepFlowを紹介する。英国バイオバンクの3万7653人に対して線形混合モデルを適用し、大動脈駆出血流速度や大動脈弁逆流率などの心血行動態について、ゲノムワイドで有意な関連座位を特定した。メンデル無作為化解析により、大動脈弁逆流の原因の1つとして大動脈基部径が役割を果たしていることが明らかになった。最も顕著な関連を有するバリアントの近傍に位置する遺伝子(ELNPRDM6ADAMTS7)は、結合組織や血圧関連経路への関与が知られている。本研究では、DeepFlowを使用した大規模な心血行動態表現型解析と、遺伝子型決定データを組み合わせて用いることにより、大動脈弁機能に結合組織遺伝子、血圧、大動脈基部径が寄与しているという証拠を強化した。

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