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長鎖ノンコーディングRNA:計算的予測と実験的検証によって、ゼブラフィッシュからヒトまで機能的に保存されたlncRNAを特定する

Nature Genetics 56, 1 doi: 10.1038/s41588-023-01620-7

長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)の機能研究は、それらの進化を評価する方法がないために遅れている。今回我々は、保存されたゲノム上の位置とRNA結合タンパク質(RBP)結合部位のパターン(coPARSE-lncRNA)によって、lncRNAに固有のクラスを特定する計算パイプラインであるlncHOME(lncRNA Homology Explorer)を報告する。驚くことに、数百のヒトcoPARSE-lncRNAが、進化的にゼブラフィッシュまでさかのぼることができた。我々は、CRISPR–Cas12aノックアウトアッセイと救済アッセイを用いて、多くのヒトcoPARSE-lncRNAのノックアウトは、細胞増殖障害を引き起こすことを示し、これらは続いて、ゼブラフィッシュの推定ホモログにより救済されることを明らかにした。また、ゼブラフィッシュ胚でcoPARSE-lncRNAをノックダウンすると重度の発生遅延が引き起こされ、これらはヒトホモログにより救済されることが分かった。さらに、ヒト、マウス、ゼブラフィッシュのcoPARSE-lncRNAホモログは、特定のRBP結合部位依存的な保存された機能により、類似のRBPと結合する傾向があることを検証した。まとめると、我々の研究は、lncRNAの機能的保存を研究するための包括的手法を示し、脊椎動物の生理機能の調節には多数のlncRNAが関与することを示唆している。

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