Technical Report

ファインマッピング:MESuSiEはゲノムワイド関連解析の原因バリアントについてのスケーラブルで強力な複数祖先系ファインマッピングを可能にする

Nature Genetics 56, 1 doi: 10.1038/s41588-023-01604-7

ゲノムワイド関連解析におけるファインマッピングは、対象の局所ゲノム領域に存在する一連の候補SNPから原因SNPを特定しようとするもので、通常は一度に1つの遺伝的祖先系集団において行われる。本論文では、複数の祖先系集団の関連情報を利用することでファインマッピングの精度と分解能を向上させる、確率的な複数祖先系ファインマッピング法であるMESuSiE(multi-ancestry sum of the single effects model)を紹介する。MESuSiEは、要約統計量を入力として使用し、異なる祖先系集団で観察される多様な連鎖不平衡パターンを考慮し、共通の原因SNPと祖先系特異的な原因SNPの両方を明確にモデル化し、スケーラブルな計算のためには変分推論アルゴリズムを利用する。我々は、MESuSiEの性能の評価を、包括的なシミュレーションと、4つの脂質形質に関するヨーロッパ系とアフリカ系の両方の試料を用いた複数祖先系ファインマッピングにより行った。リアルデータでは、MESuSiEは、既存の手法と比べて、ファインマッピングの分解能を19.0~72.0%向上させ、計算速度は一桁高速となり、共通の原因シグナルと祖先系特異的な原因シグナルを捉えて分類し、機能的エンリッチメントを向上させた。

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