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摂食障害:過食性障害(むちゃ食い障害)表現型のモデルに基づいたゲノムワイド解析によりリスク座位が特定され鉄代謝の関与が示される

Nature Genetics 55, 9 doi: 10.1038/s41588-023-01464-1

過食性障害(むちゃ食い障害、BED)は最もありふれた摂食障害であるが、その遺伝的構造はいまだにほとんど分かっていない。BEDの研究が困難であるのは、BEDが肥満という一般的かつ高度に多遺伝子性の形質を併発することが多く、また、バイオバンクのデータセットで診断が十分に行われていないためである。本論文では、こうした制限があることを考慮し、教師あり機械学習手法(BEDと診断された人の822例を使用)を適用することで、退役軍人100万人プログラム(MVP)の電子医療記録に基づき各個人がBEDである確率を推定した。また、MVPのアフリカ系(= 7万7574)およびヨーロッパ系(= 28万5138)の人について、ボディマス指数で調整しながらゲノムワイド関連解析を行うと、HFEMCHR2LRP11遺伝子の近傍の3つの独立した座位とBEDとの関連が明らかになり、BEDのリスク遺伝子としてAPOEが示唆された。また、BEDといくつかの神経精神医学的形質との間に共有される遺伝率が特定され、鉄代謝がBEDの病態生理学的性質に関与していることが示唆された。総合的に我々の知見は、BEDの基盤となる遺伝学的性質についての知見を示し、今後のトランスレーショナル研究の方向性を示唆するものである。

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