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アワ:モデル植物エノコログサ属Setariaのグラフゲノムおよびグラフパンゲノムの多様性

Nature Genetics 55, 7 doi: 10.1038/s41588-023-01423-w

エノコログサ属のSetaria italica(アワ)は東アジア農業の創始作物の1つであり、C4光合成研究ならびに複数の気候に適応した育種法開発のためのモデル植物である。本研究で我々は、世界中から集めたエノコログサ属ゲノムコレクションから110株の代表ゲノムを組み立てることにより、エノコログサ属のパンゲノムを完成させた。得られたパンゲノムは7万3528の遺伝子ファミリーより構成されており、構成比はコア遺伝子が23.8%、ソフトコア遺伝子が42.9%、必須遺伝子が29.4%、プライベート遺伝子が3.9%であった。また、重複のない20万2884の構造バリアントも検出された。パンゲノムバリアントの特徴付けを行った結果、アワの栽培化と品種改良の過程におけるパンゲノムバリアントの重要性が示唆され、例えば収量増加遺伝子SiGW3において、プロモーターに含まれる366 bpのPAVバリアント(存在・不在の変動)が遺伝子発現の変動に付随して起こることを確認した。我々はグラフゲノムを構築し、13通りの環境下における68形質について大規模な遺伝学的研究を行い、異なる地理環境においてアワの改良に役立つ可能性のある複数の遺伝子を特定した。これらの遺伝子はマーカー支援育種やゲノム選抜法、ゲノム編集などに使用可能であり、異なる気候条件下での作物の品種改良を加速させるであろう。

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