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腎疾患:ゲノムワイド関連解析から、IgA腎症の病因に関するシグナル伝達経路が明らかになり、有望な創薬標的の選別が可能になる

Nature Genetics 55, 7 doi: 10.1038/s41588-023-01422-x

IgA腎症(IgAN)は、進行性の腎疾患で、IgAの糸球体沈着によって特徴付けられる。本論文では、国際的な17コホートの腎生検で診断されたIgAN症例1万146例と対照2万8751例について、ゲノムワイド関連解析を行った結果を報告する。この解析によってゲノムワイドな有意水準で30のリスク座位が明らかになり、これにより疾患リスクの11%が説明された。新規の座位は全部で16座位である(TNFSF4/TNFSF18RELCD28PF4V1LY86LYNANXA3TNFSF8/TNFSF15REEP3ZMIZ1OVOL1/RELAETS1IGHIRF8TNFRSF13BFCAR)。これらのリスク座位には、マウスで遺伝的改変を行った場合に異常なIgAレベルを引き起こす遺伝子のオルソログが豊富に含まれていた。また、IgANと血清IgAレベルの間に正の遺伝的相関があることも観察された。IgANの多遺伝子スコアが高いことは、腎不全への早期進展と関連していた。候補原因遺伝子の包括的な機能アノテーション解析から、一般的な炎症性シグナル伝達経路と各サイトカインのリガンド–受容体ペアが明らかとなり、IgANの生物学的創薬候補が集約されていることが分かり、有望な創薬標的の選別が可能となる。

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