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トウモロコシ:トウモロコシゲノムのテロメアからテロメアまでの完全なアセンブリ

Nature Genetics 55, 7 doi: 10.1038/s41588-023-01419-6

ゲノムのテロメアからテロメアまで(T2T)の完全な解読完了は、ゲノム研究の長年の課題であった。本論文では、高深度で超ロングリードのオックスフォードナノポアテクノロジー(ONT)とPacBio HiFiのリードデータを生成することにより、トウモロコシの各染色体を完全に1つのコンティグとしてつなげ、トウモロコシの完全なゲノムアセンブリを構築したので報告する。トウモロコシMo17近交系のT2Tゲノムは、2178.6 Mbで、塩基精度は99.99%を超えており、ゲノムの全ての反復配列領域の構造的特徴を明らかにしている。このゲノムには、単純な塩基配列の繰り返しからなる非常に長い配列がいくつかあり、それにはチミン–アデニン–グアニン(TAG)の三塩基反復配列の連続が含まれていて、その長さは最大で235 kbである。26.8 Mbの核小体形成領域には、2974コピーの45S rDNAが含まれ、核小体形成領域全体のアセンブリを行うと、rDNAの重複とトランスポゾン挿入による非常に複雑なパターンが明らかになった。また、10種類の染色体全てのセントロメアの完全なアセンブリを行うことで、CentCが豊富なセントロメアとCentCが乏しいセントロメアの両方の反復配列構成を正確に解明できた。この完全なMo17ゲノムは、高等植物ゲノムに含まれる極めて扱いにくい反復配列領域の複雑性を理解する上で大きな前進である。

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