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eQTL:遺伝子発現および複雑形質に及ぼす遺伝的影響の発見における系統的な違い

Nature Genetics 55, 11 doi: 10.1038/s41588-023-01529-1

複雑形質のゲノムワイド関連解析(GWAS)で見つかるシグナルのほとんどは、遺伝子調節効果を持つと推定される非コード遺伝的バリアントと関連している。しかし、現在特定されている調節バリアント、特に発現量的形質座位(eQTL)のものは、GWASシグナルのごく一部しか説明しない。本論文では、GWASとシスeQTLの関連シグナルを体系的に調べることにより、両者が異なっていることを示す。つまり、eQTLは転写開始部位のごく近傍にクラスターを形成しているが、GWASの関連シグナルはそうではない。GWASシグナルの近傍の遺伝子は、重要な機能的アノテーションを豊富に持ち、強力な選択的制約下にあり、さまざまな組織/細胞タイプにおいて全体的に複雑な調節を示すが、一方でeQTLの近傍の遺伝子は、ほとんど機能的アノテーションがなく、選択的制約は弱く、より単純な調節状態を示す。我々は、これらの観察結果を理解するためのモデルを作成し、複雑形質に対する自然選択が機能的に重要なeQTLの発見を妨げる仕組みなどを説明する。我々の結果は、GWASとeQTLの研究が異なるタイプのバリアントに系統的に偏っていることを示唆しており、次世代のeQTL研究と並行して、それを補完する機能的手法を用いることを支持している。

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