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乳がん:ホルモン受容体陽性HER2陰性乳がんの分子分類

Nature Genetics 55, 10 doi: 10.1038/s41588-023-01507-7

ホルモン受容体陽性(HR+)/ヒト上皮増殖因子受容体2陰性(HER2)乳がんは、最もよく見られるタイプの乳がんである。その内分泌療法抵抗性と遠隔再発は、まだ解決されていない課題として残されているので、精密治療の指針となる正確な分子分類が喫緊に必要である。今回我々は、HR+/HER2乳がん患者579人からなる大規模なマルチオミクスコホートを確立し、4つの分子サブタイプ(カノニカルなルミナル型、免疫原性型、増殖型、受容体チロシンキナーゼ〔RTK〕駆動型)を明らかにした。これらの4つのサブタイプの腫瘍では、生物学的および臨床的に異なる特徴が見られたことから、サブタイプ特異的な治療戦略が示唆される。RTK駆動型サブタイプはRTK経路の活性化を特徴とし、転帰不良と関連していた。免疫原性型サブタイプは免疫細胞が豊富で、免疫チェックポイント療法が有効である可能性がある。さらに我々は、将来的な臨床での応用に向けて、デジタル病理学に基づいて、これらのサブタイプを識別する畳み込みニューラルネットワークモデルを開発した。この分子分類は、分子的不均一性を解く手掛かりとなり、HR+/HER2乳がんの精密治療の可能性を示している。

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