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DNAメチル化:マウスの胚発生と生殖細胞系列の発生におけるDNAヒドロキシメチル化とメチル化の動態

Nature Genetics 55, 1 doi: 10.1038/s41588-022-01258-x

哺乳類では、DNAの5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)は、初期胚発生のメチル化の再プログラム化に関与している。しかし、5hmCがゲノム規模のメチル化の再プログラム化にどの程度まで関わっているのかは、ほとんど分かっていない。今回我々は、マウスの初期胚と生殖細胞における5hmCの全体像の特性を親の対立遺伝子特異性を追跡して明らかにした。接合子のde novoメチル化や維持されたメチル化と比べると、DNAヒドロキシメチル化はDNA脱メチル化と最も強い相関を示したが、5hmCは着床後の胚盤葉上層に特有のde novoメチル化部位を標的としていた。驚くことに、特に雌性前核では、5hmCの生成にDNA複製も必要であった。さらに、母系のNlrp14を欠失したマウス接合子でのDnmt1/Uhrf1の異常な核局在は、DNA複製と共役した受動的な脱メチル化の異常と5hmC蓄積の異常を引き起こしたことから、ゲノム規模の5-メチルシトシン(5mC)の維持とTetを介した酸化との相違が明らかになった。まとめると、我々の研究は、初期胚発生におけるエピジェネティックな調節研究に対する知見と有益な研究資源を提供するものである。

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