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シストロームワイド関連解析:クロマチンの遺伝的決定要因から状況依存的な遺伝子調節が介する前立腺がんリスクが明らかになる

Nature Genetics 54, 9 doi: 10.1038/s41588-022-01168-y

多くの遺伝的バリアントは、遺伝子調節を状況依存的に変化させることによって、疾患のリスクに影響を及ぼす。このようなバリアントの機能を調べるには、現在用いられている発現量的形質座位(eQTL)などの遺伝的バリアントと定常状態の遺伝子発現レベルを結び付ける解析手法では難しい。この問題に対処するために我々は、シストロームワイド関連解析(CWAS)を開発した。これは、クロマチンに及ぼす遺伝子型の影響と対立遺伝子特異的な影響に加えて疾患への関連を明らかにする手法である。CWASにより、前立腺における調節配列とアンドロゲン受容体結合部位が明らかになり、その結果、既知の98の前立腺がんリスク座位のうちの52座位との関連が説明され、さらに新たな座位として17のリスク座位が発見された。CWASによって、前立腺がんリスクに関与する発生過程で働く重要な転写因子が明らかになったが、これは、eQTLベースの手法では状況依存的な遺伝子調節が見逃されてしまうからである。我々は、得られた関連を実験的に検証し、また、前立腺がん治療への反応などの、さらなるエピゲノムデータセットや表現型へのCWASの拡張性を実証した。CWASは、転写調節に影響を及ぼすことで形質に影響を与えるバリアントを解析するための、強力で生物学的に解釈可能なパラダイムである。

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