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全がん:腫瘍の種類を超えて観察されるがん細胞の状態が腫瘍微小環境と特異的な相互作用を行う

Nature Genetics 54, 8 doi: 10.1038/s41588-022-01141-9

個別のがん種において腫瘍の悪性細胞間の転写不均一性が研究されていて、がん細胞の状態がどのように構成されているかが報告されている。しかし、こうしたがん細胞状態が他の腫瘍タイプとどの程度共有され、がんの一般的な特徴となっているのかは分かっていない。本論文では、15種類のがんについて全がん一細胞RNA塩基配列決定解析を行い、「ストレス」「インターフェロン応答」「上皮間葉転換」「金属への応答」「基底細胞」「繊毛関連」などの、がん細胞に頻発する状態を発現によって定義した遺伝子モジュール・カタログを明らかにした。空間トランスクリプトーム解析により、がん細胞におけるインターフェロン応答が、腫瘍微小環境におけるT細胞やマクロファージに結び付けられた。さらにマウスモデルを用いて、インターフェロン応答モジュールの誘導は、腫瘍の存在部位によって違いがあり、また、リンパ球の除去により減少することが分かった。我々の研究は、がん細胞の状態が腫瘍の微小環境とどのように相互作用して、免疫回避、薬剤耐性、転移が可能な状態に編成されるのかを研究する上での枠組みとなる。

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