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トランスクリプトーム:種横断的な一細胞研究の全体像を深層学習に適用し、細胞タイプの根底にある保存された調節プログラムを明らかにした

Nature Genetics 54, 11 doi: 10.1038/s41588-022-01197-7

参照ゲノムを構築して解析していく取り組みは広範に進められているにもかかわらず、ほとんどの種で遺伝子調節や細胞運命決定を予測する遺伝学モデルは得られていない。今回我々は、ゼブラフィッシュ、ショウジョウバエ(Drosophila)、ミミズにおいて、全身の一細胞トランスクリプトームの全体像を捉えた。次に、8つの代表的な後生動物種の細胞のデータを統合し、進化系統横断的に遺伝子調節を調べた。我々はまた、種横断的に一定のやり方で構築することで得られたこれらの全体像のデータを用いて、深層学習に基づいた方法であるNvwaを開発し、遺伝子発現の予測と調節配列の特定を一細胞レベルで行った。細胞タイプ特異的な転写因子を体系的に比較することにより、脊椎動物と無脊椎動物で保存された遺伝子調節が明らかになった。我々の研究は、有益な研究資源を提供し、多様な生物学的システムにおける遺伝子調節の文法を研究するための新たな戦略を示している。

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