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DNAメチル化:DNAメチル化に及ぼす遺伝的影響のアトラスから得られたゲノムおよび表現型についての手掛かり

Nature Genetics 53, 9 doi: 10.1038/s41588-021-00923-x

DNAメチル化(DNAm)に及ぼす遺伝的影響の特徴を明らかにすることは、遺伝子調節や疾患の基盤となる機構を理解する機会になる。本研究では、3万2851人の参加者についてのDNAm量的形質座位(mQTL)解析の結果と、血液における42万509か所のDNAm部位でのDNAmと関連する遺伝的バリアントを明らかにしたことを報告する。我々は、27万を超える独立したmQTLのデータベースを提示し、そのうちの8.5%は長距離(トランス)の関連である。明らかになったmQTLとの関連は、DNAmの相加的遺伝分散の15~17%を説明した。DNAmレベルの遺伝的構造は多遺伝子性が高いことが分かった。我々は、遠位のDNAm部位間で共有される遺伝的制御を用いて、ネットワークを構築し、ゲノムアノテーションや複雑な形質が豊富に含まれる405の異なる「ゲノム部位コミュニティー」を明らかにした。共有される遺伝的バリアントは、DNAmレベルと複雑な疾患の両方に関連するが、少数の症例においてのみ、これらの関連がDNAmから形質へ、あるいはその逆の因果関係を反映していることから、遺伝子型–表現型マップはこれまでに予想されていたよりも複雑であることが示された。

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