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脂質:大規模コホートの電子カルテに基づく血漿脂質と疾患の新たな関係を特定するための統合的フレームワーク

Nature Genetics 53, 7 doi: 10.1038/s41588-021-00879-y

血漿脂質は、遺伝的に受け継がれる心血管疾患リスク因子としてよく知られているが、それ以外の器官系の疾患との遺伝学的関連を裏付ける証拠も増えてきている。本研究では、新たな脂質関連遺伝子を特定するとともに、脂質、遺伝型、遺伝子発現パターンと、Electronic Medical Records and Genomics(347形質)ならびに英国バイオバンク(549形質)に含まれる何百もの複雑なヒト疾患との間の関係性を解析することを目的として、3段階からなる包括的なフレームワークを考案した。特定された新規脂質関連遺伝子のうち極めて高い再現性を示した遺伝子は67個あった。また、脂質とフェノーム全体にわたる諸疾患の双方に多面効果を示すSNP/遺伝子が発見された。例えば、脂質と多発性硬化症の発症リスクに逆方向の多面効果を及ぼすHLA領域のSNP/遺伝子群や、トリグリセリドと痛風の間に推定される因果関係などである。本研究で得られた知見は、血漿脂質と疾患の関係の遺伝学的基盤をフェノーム規模で明らかにしており、将来の予防・治療戦略を考える上で基本情報となるものである。

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