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調節配列:表皮分化に関する組み合わせに基づく動的なシス調節語彙目録

Nature Genetics 53, 11 doi: 10.1038/s41588-021-00947-3

細胞状態の移行過程では、転写因子がシス調節配列(CRE)のDNA塩基配列モチーフに結合し、クロマチン状態や遺伝子発現が調節される。このモチーフの語彙目録が、動的な調節の仕組みにどのように影響を及ぼすかの定量的理解は、シス調節配列のコードが組み合わせに基づくために容易ではない。この問題に取り組むために、本論文では、表皮分化におけるクロマチンと発現の動態についてのマルチオミックデータプロファイリングを行い、4万103の動的なCREが3609の動的に発現する遺伝子に関連することを見いだし、次に、解釈可能な深層学習の枠組みを適用して、クロマチン接近性についてのシス調節ロジックをモデル化した。この解析の枠組みを用いて、皮膚の分化において同期して働くさまざまな役割を持つ遺伝子モジュールを調節する動的なCREに、DNA塩基配列の協調的な規則があることを見いだした。超並列レポーターアッセイ解析によって、時間的動態と協調的シス調節ロジックを検証した。これらの組み合わせ規則に基づく時間依存的なモチーフに、ヒトの多遺伝子性皮膚疾患に結び付けられるバリアントが豊富に見られた。この統合的手法によって、表皮分化についての組み合わせに基づくシス調節語彙目録が示され、遺伝子を動的に調節するシス調節コードの原理を体系的に解読するための一般的な枠組みが示された。

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