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双生児:一卵性双生児間における生殖細胞系列ゲノムの相違

Nature Genetics 53, 1 doi: 10.1038/s41588-020-00755-1

一卵性双生児は遺伝学研究において重要な役割を果たしてきたが、そのゲノムの違いについてはほとんど分かっていない。今回我々は、一卵性双生児間には初期発生期に生じた変異によるゲノムの相違が平均して5.2か所あり、一卵性双生児の約15%で、どちらか一方にしか見られないこうした初期発生変異が相当数存在していることを明らかにした。また、我々は双生児の両親と子のゲノム塩基配列を用いて、双胎形成前に生じた変異を特定した。双生児が双胎形成前の細胞塊の同一の細胞系譜に由来している場合と、いくつかの細胞分裂を経た後の別々の細胞系譜に由来している場合が観察された。CpG>TpG変異の頻度は胚発生期に高くなっており、これはDNAメチル化の増加と一致する。本研究の結果は、発生時の細胞の配置が、一卵性双生児間のゲノムの相違を決定していることを示している。

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