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代謝:ヒトの代謝と健康の遺伝的調節因子を特定するクロスプラットフォーム手法

Nature Genetics 53, 1 doi: 10.1038/s41588-020-00751-5

今回我々は、174種類の代謝物に対するクロスプラットフォーム解析で、多面効果、対立遺伝子不均一性、大規模な非線形効果、豊富な非同義バリアントを特徴とする499の関連を見いだした(P < 4.9 × 10−10)。高いシトルリンレベル、ボディーマス指数、空腹時血糖依存性インスリン分泌性ペプチド、2型糖尿病の間で共通した、GLP2R(p.Asp470Asn)でのシグナルが見つかり、その基盤にある機構としてβアレスチンのシグナル伝達が見いだされた。遺伝的なセリンレベルの高さは、まれな網膜変性疾患である2型黄斑部毛細血管拡張症の可能性を低下させ(約95%)、その発症を予測することが明らかになった。プラットフォーム間でのゲノムデータと低分子データを統合することで、ヒトの代謝調節因子の発見と臨床的知見へのトランスレーションが可能になるだろう。

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