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前立腺がん:前立腺がんの複数の祖先系統にわたるゲノムワイド関連メタ解析による新しい感受性座位の特定と遺伝的リスク予測の情報

Nature Genetics 53, 1 doi: 10.1038/s41588-020-00748-0

前立腺がんは遺伝性の高い疾患であり、祖先集団により発症率に大きな差がある。本論文では、前立腺がんの複数の祖先のゲノムワイド関連解析のメタ解析(症例10万7247例および対照12万7006例)を行い、前立腺がんのリスクに関連する独立した86か所の新しい遺伝的リスクバリアントを特定した。これにより、既知のリスクバリアントは合計で269か所になった。遺伝的リスクスコア(GRS)の上位10%は、ヨーロッパ系男性の5.06[95%信頼区間(CI)、4.84~5.29]から、アフリカ系男性の3.74(95%CI、3.36~4.17)の範囲のオッズ比で関連していた。平均GRSについて、ヨーロッパ系男性と比較すると、アフリカ系男性は2.18倍高く(95%CI、2.14~2.22)、東アジア系男性は0.73倍低い(95%CI、0.71~0.76)と推定された。これらの知見から、前立腺がんリスクの集団の違いに対する生殖細胞バリアントの役割と、GRSが個別化リスクを予測するための手法になることが裏付けられた。

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