Article

顔貌:ヒトの顔貌の遺伝学的基盤の解明

Nature Genetics 53, 1 doi: 10.1038/s41588-020-00741-7

ヒトの顔貌は複雑で多くの要素からなる形質であり、その遺伝的基盤の解明は依然として困難な課題である。本研究では、8246人のヨーロッパ人を対象とした多変量ゲノムワイド関連解析のメタ解析により、顔形状の正常範囲内の多様性に関連するゲノム規模レベルで有意な203のシグナル(うち120は研究全体のレベルでも有意)を特定した。フォローアップ解析の結果、これらのシグナルの近傍領域には、頭蓋神経堤細胞と頭蓋顔面組織においてエンハンサー活性が豊富であることが示された。また、いくつかの領域には異なる顔貌形質に関連するシグナルが複数位置しており、バリアントが協調的に作用している可能性を示す証拠が見いだされた。要約して言えば、我々の解析は、個別の遺伝学的作用と協調的な遺伝学的作用の両方により、複雑な形態学的形質がどのように形作られるかの理解に役立つ知見を提供している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度