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乳がん:乳がんにおけるグアニン四重鎖DNA構造領域の全体像

Nature Genetics 52, 9 doi: 10.1038/s41588-020-0672-8

抗がん剤治療に対する応答や抵抗性が多様であるのは、腫瘍間および腫瘍内の不均一性のためである。本論文では、22人の乳がん患者由来腫瘍異種移植片(PDTX)モデルで、エンリッチメント解析の結果に差が見られるグアニン四重鎖(G4)DNA構造形成領域(ΔG4R)をマッピングした。∆G4Rは、高発現を示す高度に増幅された遺伝子のプロモーター、および体細胞性の一塩基バリアントに関連を示した。ΔG4R全体像の差異から、PDTXにおける7つの転写因子プログラムが明らかになった。∆G4Rの豊富さとその位置によって、PDTXはG4に基づく少なくとも3つのサブタイプに層別化された。ほとんどのPDTX(22のうちの14)の∆G4Rは、2つ以上の乳がんサブタイプ〔統合クラスター(IC)と呼ぶ〕と関連していることが分かった。このことから、PDTXモデル内の複数の乳がん状態の共存はよく見られることであり、その大部分はアグレッシブなトリプルネガティブIC10遺伝子活性を示すことが示唆された。∆G4Rレベルが上昇したPDTXモデルを短期培養すると、G4 DNAを標的とする低分子への感受性が高いことが分かった。従って、G4の状態からPDTX生検に見られるさらなるIC関連腫瘍内不均一性が明らかになり、乳がんの層別化が改善され、新しい治療戦略を見つけられる可能性がある。

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