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トランスクリプトミクス:遺伝的解析からヒト疾患の遺伝率にmRNAのN6-メチルアデノシン(m6A)修飾が関与することが裏付けられた

Nature Genetics 52, 9 doi: 10.1038/s41588-020-0644-z

N6-メチルアデノシン(m6A)は、mRNAプロセシングの調節に重要な役割を担っている。この分野は急速に進歩しているにもかかわらず、m6A修飾の遺伝的な決定要因や一般的な疾患における役割はほとんど分かっていない。本論文では、ヨルバ人(YRI)のリンパ芽球細胞株60株において、m6Aピークの量的形質座位(QTL)のマッピングを行った。m6A QTLは、発現QTLやスプライシングQTLとは大部分が独立していること、また、RNA結合タンパク質の結合部位や、RNA構造を変化させるバリアント、および転写の特徴に関係する部位に豊富に見られることが分かった。m6A QTLと、関連する分子形質とのジョイント解析から、m6Aの下流への影響は不均一で、状況に依存することが示唆された。我々は、m6Aが翻訳に及ぼす影響を仲介するタンパク質を特定した。ゲノムワイド関連解析のデータと統合させることで、m6A QTLが、免疫および血液に関連するさまざまな形質の遺伝率に、スプライシングQTLに匹敵するレベルおよび発現QTLの約半分のレベルで関与することが分かった。さらに、トランスクリプトームワイド関連解析の枠組みでm6A QTLを活用することにより、これらの形質の推定リスク遺伝子を特定した。

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