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piRNA:進化的に保存されたpiRNAを産生する座位pi6は雄マウスの妊性に必要とされる

Nature Genetics 52, 7 doi: 10.1038/s41588-020-0657-7

パキテン(太糸期)piRNA(PIWI-interacting RNA)は、成体マウス精巣における低分子RNAの80%以上を占め、マイクロRNAのように標的RNAに結合して調節するか、短鎖干渉RNAのように標的を切断するか、あるいは生物学的機能を全く失っているかだと考えられている。piRNA経路タンパク質の変異体は雄性不妊であるが、哺乳類のpiRNA産生座位で生物学的機能の明らかになっているものはない。今回我々は、マウスで保存された第6染色体上のパキテンpiRNA座位(pi6)を欠失した雄では、精子の受精能獲得および卵の受精に異常が生じることを報告する。さらに、pi6−/−の父親から生じたヘテロ接合胚は、子宮内での生存率低下を示した。分子解析では、pi6 piRNAは、精子の機能に必要なタンパク質をコードするメッセンジャーRNAを切断することにより、遺伝子発現を抑制することが示唆された。またpi6は、piRNA–piRNA前駆体間相互作用のネットワークにも関与しており、このネットワークは、第10染色体上の別なpiRNA座位からのpiRNA産生に加え、pi6自体のpiRNA産生を開始させる。我々のデータは、精子形成と胚の生存におけるパキテンpiRNAの直接的な役割を明らかにしている。

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