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腫瘍転移:リンパ節転移は遠隔転移よりも穏やかな進化的ボトルネックを介して起こる

Nature Genetics 52, 7 doi: 10.1038/s41588-020-0633-2

転移したがんの間に見られる遺伝的多様性については、よく分かっていない。だが、この多様性を理解すれば、転移部位における腫瘍の進化について重要な情報が得られると考える。今回我々は、ヒト大腸がんのリンパ節転移と遠位臓器転移という2種類の転移について、臨床転帰の違いに関連する病変間および病変内の不均一性について調べた。まず我々は、転移に見られる系統学的多様性を定量化するために、厳密な数理的フレームワークを開発した。遠隔転移は単系統性であることが多く、遺伝学的に互いに類似していた。対照的に、リンパ節転移では病変間に高いレベルの多様性が見られた。我々はこの知見について、20人の患者からなる独立したコホートに由来する317か所の多領域生検を解析し、検証を行った。さらに、リンパ節転移では、遠隔転移よりも病変内不均一性のレベルが高いことも分かった。我々の結果は、遠隔転移ではリンパ節転移よりも少ない原発性腫瘍系譜によって播種されることを明らかにし、2つの部位は異なるレベルの選択を受けることを示している。このように、リンパ節転移と遠隔転移は、根本的に異なる進化的機構を介して起きる。

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