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がんゲノム:ヌクレオチドの配列の前後関係に基づいたがんドライバー遺伝子の特定

Nature Genetics 52, 2 doi: 10.1038/s41588-019-0572-y

がんゲノムには多数の体細胞変異が含まれているが、発がんをもたらす変異は、これらのうちのごく一部である。ドライバー変異を同定する現行の手法は、変異の頻度に基づいて特定するか、バイオインフォマティクス的スコアを用いて非同義変異の機能的重要性を見積もるかのどちらかで行われている。パッセンジャー変異は、特徴的な塩基配列の前後関係で多く見られるが、ドライバー変異は機能的部位で起こり、必ずしも特定の塩基配列の前後関係で囲まれていない。パッセンジャー変異周囲の特徴的な前後関係から逸脱した前後関係内の変異は、ドライバー遺伝子というシグナルであることが観察された。そこで我々は、以前からドライバー遺伝子の特定に用いられてきたシグナルと、この特性とを組み合わせる手法を開発した。我々はこの手法を、腫瘍と正常組織のペア1万1873組に由来する全エキソーム塩基配列解読データに適用し、21種類のがん関連経路に分布する460個のドライバー遺伝子を特定した。今回の研究は、逸脱した塩基配列の前後関係が見られる変異を特定する方法によって、28種類の腫瘍種について新たなドライバー変異をリソースに追加するものである。

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