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バリアントの解釈:GeVIRは、バリアント分布パターンを用いて疾患候補遺伝子の優先順位付けを行うための遺伝子レベルの連続量尺度である

Nature Genetics 52, 1 doi: 10.1038/s41588-019-0560-2

大規模集団の塩基配列決定プロジェクトのペースが上がっているが、疾患遺伝子の優先順位付けを促進する戦略が不足している。遺伝子とそれがタンパク質変更バリエーションを受け入れる能力に関する情報を教えてくれる方法があれば、ヒトゲノムの臨床的解釈の一助となり、疾患遺伝子発見を促進し得るようになるだろう。既報の諸方法は、遺伝子の全バリアント荷重を分析するが、遺伝子内のバリアント分布を分析するものではなかった。今回我々は、13万8632個のエクソームとゲノム配列からのデータを用いて、遺伝子バリエーション不寛容性ランク(GeVIR)を開発した。これは、1万9361個の遺伝子に関する遺伝子レベル連続量尺度であり、優性(顕性)と劣性(潜性)の両方のメンデル性疾患遺伝子を優先付けすることが可能にし、また、機能消失(LOF)拘束尺度と同等で、さらに補完性を持つものである。GeVIRを用いれば、遺伝子が短く、LOF拘束が信頼性を持って推定できない場合でも、優先順位付けができる。本研究で同定された最も不寛容な遺伝子の大部分は、定義された表現型を持たないか、重症の優性メンデル性疾患の候補である。

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