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ゲノムワイド関連解析:複雑な形質の多面発現性と遺伝的構造の包括的な概要

Nature Genetics 51, 9 doi: 10.1038/s41588-019-0481-0

ゲノムワイド関連解析(GWAS)が行われるようになって10年以上になるが、ゲノム全域における多面発現の頻度や、形質間に見られる遺伝的構造の多様性など、ヒトの遺伝学における基本的な疑問は未解決のままである。現在参照できる非常に多数のGWASデータを利用することで、こうした疑問に取り組むことが可能となる。本研究では公開されている4155件のGWASの結果を体系的に解析した。そこから検出力の高いGWASを抽出し、558の形質について多面発現性と遺伝的構造の包括的な概要を調査した。形質関連座位はゲノムの半分以上を占め、その90%は複数の形質の関連座位であった。原因バリアント候補はコード領域とその隣接領域、そして調節領域に多く位置していることが分かった。また、形質の多遺伝子性と易検出性が多様であることを示した。これらの結果は、遺伝的多様性が形質の多様性にどのように寄与しているかを示唆している。全てのGWASの結果は、GWAS ATLASデータベース(https://atlas.ctglab.nl)で検索し、視覚的に表示させることができる。

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