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ぶどう膜黒色腫:転移性ぶどう膜黒色腫における経時的遺伝子変化

Nature Genetics 51, 7 doi: 10.1038/s41588-019-0440-9

ぶどう膜黒色腫は、黒色腫のサブタイプの1つで、眼球内のメラノサイトから発生する。臨床上の特徴が他の黒色腫と明確に異なり、また致死性が高い。今回、転移性ぶどう膜黒色腫の患者35人に由来する原発腫瘍とその転移腫瘍のペアに対して、多領域DNAシークエンシングを実施した。その結果、これまで知られていなかったドライバー変異を見つけ、これらの新たな変異とすでに判明しているドライバー変異が経時的に選択を受ける順序を明らかにした。転移腫瘍ではその原発腫瘍とは異なるゲノム変化が生じていた。また、転移の播種は原発腫瘍の形成時の早い段階でも起こることがあった。今回の結果は、この黒色腫のサブタイプの遺伝学的特性およびその進化について新たな手掛かりを与え、この黒色腫の進行や治療をモニターする有望なバイオマーカーについて情報を提供するものである。

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