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トウモロコシ:近交系熱帯トウモロコシのゲノムアセンブリーは構造バリエーションと作物改良の手掛かりを与える

Nature Genetics 51, 6 doi: 10.1038/s41588-019-0427-6

トウモロコシは世界的に最も重要な作物の1つで、著しい遺伝的多様性を示す。この多様性についての知見は作物改良の助けになり得るが、代表的なゲノムは現代の温暖な品種でのみ解明されている。今回我々は、熱帯の在来種から得た小さい穀粒のトウモロコシ近交系について、高品質の参照ゲノム(15.78 MbのコンティグN50)を構築したので報告する。B73、Mo17、およびSKより得たハプロタイプマップを用いて、我々は521の系統にまたがる8万614の多型構造バリアントを同定した。これらのバリアントの約22%は、従来の一塩基多型に基づく解析法では検出できなかった。また、これらのバリアントの中には、遺伝子発現や形質の性能に影響するものも存在する。穀粒重量はトウモロコシの品種改良の際に選択された主要な形質であるが、さまざまなSK系統の有用性を例証するために、我々はこのゲノムを用いて、穀粒重量を制御する主効果量的形質座位のマップベースのクローニングを行った。その結果、作物の収穫量を増加させる改良の標的となる候補遺伝子として、ZmBARELY ANY MERISTEM1dが見いだされた。

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